参考設計

参考設計

アナレマの参考構成:LiPRO HKW300木質ガス化CHP3基によるカスケード構成。地域の間伐材と製材残さを燃料とします。

参考構成 ―― HKW300 3基カスケード

アナレマの参考構成は、LiPRO HKW300木質ガス化CHP3基をカスケード構成で連結し、CFDベルト乾燥を組み合わせた、コンテナ型(Mobile Cube)の構成です。本ページの数値は、この構成の設計値であり、稼働中のプラントの実測値ではありません。

構成

3基のHKW300をカスケードで稼働させることで、燃料処理・乾燥・排熱回収を、独立した3つの設備としてではなく一体として拡張できます。各ユニットは標準仕様で100kWe/232kWthのコンテナ型ガス化CHPであり、これを組み合わせたカスケードの設計値は以下の通りです。カスケードの数値はすべて設計値であり、標準的な1基あたりの仕様から算出したものです。実際の性能は設置場所、燃料、稼働条件によって変動します。

300kWe
カスケード発電出力(設計値)
3基×100kWe、メーカー確認値。
~696kWth
カスケード熱出力(設計値)
~2,400MWh-e/年
年間発電量(設計値)
300kWe×8,000時間。
≈4.8t/日
カスケード燃料消費量(設計値)
乾燥重量ベース(含水率の高い生材換算で約8〜10t/日)。
LiPRO HKW300 3基カスケード参考構成のアイソメトリック配置図
出典:メーカー配置図

燃料サプライチェーン

本構成は、他に高付加価値の市場を持たない地域の低質な林業材(間伐材)と、樹皮・端材・おが屑といった製材残さを燃料として稼働する設計です。バイオマスはカスケードの最初ではなく最後の用途であり、建築用材や集成材、紙などの市場が使えない材料を活用します。

何を証明するか

この3基カスケードは、契約済みの地域の間伐材と製材残さで稼働するよう設計されているため、同じ構成は林業由来のどの現場でも再現可能です ―― 一度限りのプラントではなく、地域で繰り返せるモデルです。

モデルの適用範囲

同じ燃料サプライチェーンと系統連系の基準は、九州をはじめとする林業由来の各地の現場に適用できます。アナレマはその基準に沿って候補地を評価しており、具体的な現場は、開示できる確かな内容が整った段階で初めてこのページに掲載します。

こんな方々に価値を提供します

森林事業者・森林組合

低質材にも安定した契約買い手が生まれ、長期の引き取りによって間伐事業の収益がより見通しやすくなります。

製材所

樹皮やおが屑、端材が廃棄コストではなく収益源になります。近隣への熱供給は、乾燥など製材工場の稼働も支えます。

自治体

森林整備が公的予算だけでなく、エネルギー収益によっても支えられます。地域のプラントは雇用や地域のレジリエンスにも寄与します。

熱需要者

近隣の産業や施設は、予測可能な地域産の熱を利用できます。この熱は遠隔の系統ではなく、地域に根ざしたサプライチェーンから供給されます。

投資家・パートナー

各プロジェクトは小規模・反復可能な単位で構成され、着工前に燃料調達を確保します。大規模なバイオマス事業と比べて、燃料リスクと許認可の複雑さの両方を抑えられます。

投資家の方へ:事業の経済的枠組み

これは例示です。以下の政策的枠組みと開発の順序は、参考設計プロジェクトを示すものであり、募集や予測、特定案件の条件を示すものではありません。

政策的枠組み

日本の現行FIT制度には、地域の未利用材を用いる2,000kW未満のバイオマス発電に対する¥40/kWhの区分があります。これは、林業由来の小規模プロジェクトが適用を目指す区分です。この区分は、まさにアナレマが構築する地域材モデルを評価するために存在します。実際の適用可否・単価・期間は、認定時点で有効な制度によって定まり、本ページのいずれも収益を約束するものではありません。

1ブロックが稼ぐ、三つの道

以下すべての数字の単位

御社の土地に、1ブロック

LiPRO HKW300を3基カスケードで連結し、CFD乾燥機1基とムービングフロア燃料ヤード1基を組み合わせた構成です。

300kWe
発電(定格)
発電機定格値 ―― 以下の内部自家消費4%のみを差し引きます。
696kWth
熱出力(設置)
85〜100℃の温水。
約2,304MWh-e
年間発電量
系統向け正味。発電量 約2,400のうち内部自家消費 約4%を除く。
452kWth
熱(供給可能)
設置696kWthから乾燥用の自家消費35%を差し引いた供給可能量。
約3,600t/年
年間チップ量
生材換算、含水率およそ50%。
約0.25〜0.4ha
設置面積

参考構成。数値はメーカー仕様と当社の公開モデルに基づく設計値であり、稼働中プラントの実測値ではありません。用地確定済み・進行中の案件はありません。本参考構成は3基構成であり、10基構成のデータセンター向けブロックとは別の構成です。

上と同じブロックは、三つの収益モードのいずれにも向けられます。以下の数字はすべて前提を置いた試算例で、当社が公開しているより大規模な参照モデルから導いたものです。ブロック単位の根拠数値は、ご請求に応じてお示しします。

FIT

未利用材・2,000kW未満で¥40/kWh。FY2026認定分について確定(経済産業省 プレスリリース 2026-03-19。FY2027以降は委員会審議中)。20年間の固定買取です。下の試算は、地域活用要件による自家消費分10%を除いた 約2,074MWh の販売を前提としています。

試算例 約8,300万円/年、20年固定

自家消費PPA+熱供給

オンサイトの需要家への自己託送によらないPPAと、油価より割安な熱の販売。補助制度をフルに取り込み、収益の源泉は熱にあります。

試算例 電力 約5,300万円/年+契約熱

熱主体のESCO

当社がブロックを所有・運転します。需要家は系統より安い電力と油より安い熱を初期投資ゼロで購入し、当社が差益を得ます。物理は同じで、資産の持ち手が異なるだけです。

試算例 ―― ブロックの総原価に対する差益

日本で名の挙がるバイオマスの破綻は、いずれも燃料チェーンの破綻でした。当社のモデルは燃料起点です。自社の燃料ヤード、30km以内の集荷圏、コスト急騰に耐えるよう設計した混合燃料。バイオマスが¥/kWhで系統に勝つとは決して主張しません。自家消費を成り立たせるのは制度設計であり、プラントを生かし続けるのは燃料の規律です。

ブロックは同一仕様のため、デューデリジェンスは一度書けば何度でも展開できます ―― 一つのユニット仕様、一つの燃料ヤードモデル、一つの許認可経路。インフラ資本へのポートフォリオ・エグジットを見据えた構成です。

切断された丸太の木口 ―― 参考構成の燃料となる地域の林業材(イメージ)

開発構成の目安

参考設計プロジェクトは、現場にかかわらず同じ順序で進みます。投資家のリスクとその低減も、この順序に沿います。

  1. 燃料サプライチェーン

    地域の間伐材と製材残さの長期供給、およびそれらを規定値まで整える乾燥・選別の工程を確保します。

  2. 用地

    林業の集荷圏に近く、通年の熱需要がある用地を特定・確保します。

  3. 許認可・系統

    配電クラスでの系統連系を確認し、該当する大気・廃棄物・消防の許認可を取得します。

  4. 建設

    コンテナ型カスケードと付帯設備のEPC・試運転を行います。

  5. 運用

    資産の耐用年数にわたり、長期運用、燃料物流、熱と電力の供給を行います。